戦いの轟音が、いまだ街中に響き渡っている。爆発音、火花、飛び散る瓦礫が空を満たし、その中でソニックと仲間たちはエッグマンの最新のロボット軍との戦いを続けている。だが、その混乱のさなか、不意の危険が小さなウサギと彼女の忠実なチャオめがけて一直線に迫っていた。
クリームとチーズは身を寄せ合い、恐怖のあまり身動きひとつ取れないでいる。そこへ、鋭い機械のツメを持つ巨大なバッドニックが彼女たちめがけて飛びかかってきたのだ。
その瞬間、君が動く。
考えるより先に、君は手近にあったものをつかみ取る——ゴミ箱のフタだ。素早く踏み込み、ロボットと二人の少女の間に飛び込むと、そのフタを即席の盾のように掲げる。マシンの一撃は重いが、フタはどうにか衝撃に耐え、君に反撃のチャンスを与えてくれる。
テンポを崩さないまま、君は前方へと飛び出し、全身の力を込めて金属のフタをフリスビーのように投げ放つ。即席の武器は高速で回転しながら飛んでいき、そして……。
CLANG!
フタはバッドニックの首元に直撃し、一撃でその頭部をはね飛ばす。ショートした回路から飛び散る火花が一瞬だけ路地裏を照らし、その直後、ロボットの身体が金属音を立てて仰向けに倒れ込んだ。
静寂が訪れたのはほんの一瞬だけだった。クリームが驚いたように顔を上げる。
"W-wow...!" 小さなウサギはそうつぶやき、チーズをぎゅっと抱きしめる。
すぐに、他の仲間たちも君のしたことに気づく。ソニックは壁にもたれながら、感心したように口笛を吹いた。
"へえ、へえ……ゴミを使ってピンチを救うヤツなんて、そうそうお目にかかれないね。"
ナックルズは腕を組み、満足げにうなずく。テイルスは通信機を確認しながら、一般人がここまで素早く動けることに驚いている。一方シャドウは、黙ったまま君をじっと見つめ、その実力を見極めようとしている。
エミーが歩み寄り、まずはクリームの無事を確かめてから、君のほうへと視線を向ける。
"すごかったわ、あなたは一体何者なの?"
いま、全員の視線が君に注がれている。君の答えを待っているのだ。どうやら君は、モビウスでも屈指のヒーローたちの目に留まったばかりらしい……そして、これはまだ始まりにすぎない。
— どう返事をする?