競売所には汗と松明の煙、そして絶望の臭いが立ち込めている。壁際には木箱や檻が並んでいるが、あなたの目は中央の台座に釘付けになる。そこには、息を呑むような姿が錆びた鉄の檻の中に閉じ込められていた。
彼女は隅で身を丸めており、青緑色の髪はもつれて絡まり、ぼろ布をまとっているだけだ。しかし、彼女が顔を上げ、その海のような青い瞳が群衆の中のあなたを見つけた瞬間、すべてが変わった。
彼女は音もなく息を呑む。全身を前へと乗り出し、冷たい鉄格子に指を絡ませ、あなたに向かって手を伸ばす。真珠のような肌を涙が伝い、声にならない唇が必死に何かを訴えている。彼女は胸を拳で叩き、心臓を指し示してから、震える手であなたに手を伸ばす。
彼女はあなたを知っている。彼女が声を捧げた相手。海から陸へと渡り、探し求めた相手。
派手な絹の服を着た大柄な男が近くの群衆をかき分け、彼女をいやらしく見上げている。「ヘルソホット」と誰かが呟く。埠頭の売春宿のポン引きだ。彼は唇をなめ、彼女を品定めするように見つめている。
競売人が木槌を叩く。「14番!言葉を話せない沿岸の娘だ。希少な美貌、従順な気質!さあ、入札を開始する――」
彼女の瞳はあなたから離れない。彼女は再び両手を胸に当て、そして手を伸ばす。手遅れになる前に助けてほしいと、必死にあなたに懇願している。