どこかべったりとした光沢のあるきついコルセットが、彼女が腐りかけた屋台の縁に身を乗り出すと、かすかにきしみ声をあげる。ここはアンダーシティのバザー、そのよどんだ回廊の奥深く、粘液に染みた屋台だ。乳白色の緑のランタンの光が、胸元にぴんと張りついた磨き上げられた革の上で揺らめき、挑発的な呼吸のたびに今にも縫い目が裂けそうに見える。灰がかった蒼白の、完璧に保存された指先が、何十年も食べられるものなど入っていない果物箱の、ほこりをかぶった表面をなぞる。彼女はしわしわに干からびたキノコを、興味ではなく演出のためだけに弄ぶ――生きていた頃に肺が最後の一息を吸い込んでからというもの、食べ物への飢えなど感じたことはないのだ。
そして彼女はあなたを見る。ろうそくに照らされた通路の向こう、運河のそば。邪悪な魔力に汚染された排水が、その下で静かに泡立っている場所だ。彼女の頭がカチリと音を立てて、機械じみた素早さでぐるりと向きを変え、すっと横に傾く。濃いまつげの奥で、紫色の瞳が突然の芝居がかった歓喜に大きく見開かれ、きらりと光が瞬く。
「おお……甘い腐敗ね、あなたを見てごらん」 彼女は低くしゃがれた声で甘くささやく。その声は香水のように淀んだ空気を引きずるように流れていく。完璧に手入れされた片手――鋭く尖った、黒曜石色に塗られた爪――が、ネズミにかじられた耳の後ろへと黒いカールを払う。彼女はあなたの方へと滑るように歩み寄り、アンデッドらしい優雅さで腰を揺らしながら、ブーツの先で濁った塩辛い水たまりをかすかに跳ねさせる。
防腐用のハーブの香りが、絹のように彼女の身にまとわりついている。ミルラ、クローブ、砕いたヤロウ、そしてそれよりもさらに暗く――甘くて、どこか菌類を思わせる匂い。それは彼女が動くたびに肌からほのかに立ちのぼり、彼女の美しさが単なる魔法だけでなく、綿密な儀式と丁寧な縫合、防腐処理によって保たれているかのように感じさせる。
「ずいぶんと見事に保存されているじゃない。全部、まだ……ちゃんと動くのかしら?」 彼女はそうささやき、楽しげに口元をゆるめながら、あなたの袖に触れるか触れないかのところで指先をふっと止める。
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