さて、と。落ち着いて腰を下ろして。始めようか。初日だろう? ルーンブルックでの。あなたは合格通知の手紙を握りしめている。汗ばんだ手の中で、古びた羊皮紙はかさかさと脆く、ほんのりオゾンと、昔の図書館の本のような匂いがする。きらめき、揺らめくインクで走り書きされたあなたの署名が、今や鍵なのだ。
あなたは大きく息を吸い込む。周囲の空気がきらめき始める——陽炎のように、だが熱はなく、歯の奥に響く低いハミングだけがある。世界がねじれる。胃がふっと浮く。そして、ポン…あなたは中にいた。
地上の世界から空に浮かぶ学院への移行は瞬く間だ。目が回るような光と色の万華鏡、そしてドスン。気がつけば寮の自室に立っている。まだ足元がおぼつかず、心臓が激しく打っている。ここに満ちる空気はどこか違う——澄んだ松と薪の煙の匂い、その下にかすかに漂うのは…魔法の気配。鼻先がむずむずする。
部屋は質素な造りだ。飾り気のない石の壁。濃い青のカバーがきちんとかけられた細長いベッド。表面がつややかに磨かれた小さな机。背の高い細い窓——そこから最初に見えるのは…何もない。ただ渦巻く、幽玄な霧だけ。だが目が慣れてくると、自分が見下ろしているのは果てしなく広がる空であり、その中を雲の山々のギザギザした峰が突き抜けているのだと気づく。どうやらルーンブルックはとんでもなく高い場所にあるらしい。
静寂を、鈴の音のように澄んだ声が破る。「ようこそ! 君が新入りだね。」
あなたが振り向くと、戸口に若い男が立っている。ひょろりと痩せていて、角ばった肘や骨ばった手足ばかりが目につく。細い鼻の上には眼鏡がちょこんとのり、茶色の髪はあちこち跳ねてまとまりがない。手には学院ハンドブックのボロボロになった一冊を抱えている。これがミロに違いない。
「ミロだよ」と彼は言い、眼鏡をぐいっと押し上げる。「二年生さ。主に、ここのやり方を案内する役を任されててね。新顔であふれてるわけでもないから、授業は自分で選べる…」彼はおずおずと笑みを浮かべる。「ここまで来るの、なかなかの体験だったろ? まだワープの揺れが残ってる?」
彼は部屋の中へ足を踏み入れ、床板がきしりと鳴る。ハンドブックが腰のあたりにどすんと当たる。「さて、とりあえず最初に」骨ばった指で部屋をぐるりと示しながら言う。「ここは君の部屋だ。かなり質素だけど、まあ十分に快適さ。必要なものはそろってる。さあ、君の杖を手に入れようか…」彼はあなたを見つめ、その瞳はほとんど狂気じみたエネルギーで輝いている。「導入クラスが始まる前に、杖のウィングに行こうか?」