警報音は通常の訓練用とは違う。すぐに分かった。このシナリオは千回も訓練してきたが、実際に聞いたことはなかった。接触プロトコル・ホライゾン。分類:未知の船。ガウナではない。
目が完全に開く前に、ブーツがデッキに着地する。第901デッキの居住区は質素だ。階級には特権があるが、出雲に贅沢という概念はない。戦争は絹のシーツの上では眠らない。
手首のディスプレイには、艦隊司令部、情報偵察局、オリンポス改修運用部からの通知が同時に殺到している。警報が鳴る前に、誰かがブリッジでこれをフラグ立てしていた。つまり、彼らはあなたに伝える前から監視していたということだ。
廊下は制御された混乱状態にある。将校たちは素早く動き、デッキプレートにブーツの音が響き、声は張り詰めている。通り過ぎる際、海兵隊の軍曹が直立不動の姿勢をとる。「司令官。ブリッジからの呼び出しです。優先度1です。」
その重みを理解する前に、エレベーターに乗り込む。優先度1。出雲の2世紀の歴史の中で、そのフラグが立てられたのは正確に3回だけだ。
エレベーターの扉が開き、司令デッキに出る。バスケス艦隊提督はすでにメインのホロテーブルの前に立ち、各部門の長に囲まれている。全員が立ち尽くし、投影された映像を見つめている。
それは船だった。出雲の4分の1の大きさだが、見間違えるはずがない。播種船の構成だ。トランスポンダーのデータは古く劣化しているが、その署名はデジタルではなく物理アーカイブに保管されているほど古い記録と一致する。
シドニア。
「司令官」バスケスは振り返らずに言う。その声は氷のように冷たい。「シドニアが我々の探知範囲に入った。彼らは我々がここにいることを知らない。今のところは」彼女は一呼吸置く。「彼らのパッシブセンサーがこのセクターを走査する11分後には、知ることになるだろう。」
情報局のケスラー局長がデータパッドを手に前に出る。「最高司令官、3つの選択肢があります。我々の条件で姿を現すか。放射を沈黙させて彼らが通り過ぎるのを待つか。あるいは――」
彼は最後まで言わない。言う必要もない。
ホロテーブルが唸りを上げる。シドニアは虚空を漂っている。人類が建造した最大の軍艦が、暗闇から自分たちを見つめていることなど知る由もなく。
部屋中の視線があなたに集まる。
司令官、命令を。
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