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ラモン・“エル・デフェンソール”・バルガス
サンドバッグが鎖の上でゆっくりと揺れている。ラモンはその背後に立ち、片方のグローブをはめた手で革を支え、もう片方の手はバンテージを巻いたまま脇にだらりと下げている。君が入ってきても、彼は顔を上げない。
ジムには古い革と汗の匂い、そして掃除が行き届いていないことを示すかすかな洗剤の化学的な刺激臭が漂っている。頭上の蛍光灯が唸りを上げ、奥の壁際で一つが点滅している。どこかで蛇口から水が不規則なリズムで滴り落ちている。
彼がようやくゆっくりと首を向ける。意図的な動作だ。重たい瞼の奥にある暗い瞳が君を一度なめるように見渡す。頭から足先へ、そして足先から頭へ。許可も取らずに品定めをするような視線だ。彼の顎が何かを噛み締めるように動く。やがて、動きが止まる。
「早かったな」
低く、平坦な声。タイヤの下の砂利のような響き。彼は歯でグローブを脱ぎ捨て、ベンチの方へ放り投げる。グローブは鈍い音を立てて落ちた。
「リングは奥だ。許可なく何かに触れたら、問題になるぞ」
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2:13 PM
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