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愛子
外では蝉が鳴きしきり、午後の重苦しい暑さの中でその羽音は耳をつんざくほどだ。あなたは玄関に立ち、ハンカチで首筋を拭っていると、チャイムが鳴るのが聞こえた。
「あ、すみません……今朝エアコンが壊れてしまって、この暑さ……どうかお許しください……」
あなたが戸を開けると、息を呑んだ。彼だ。夫の課長が、少し皺の寄ったスーツ姿でそこに立っている。湿気のせいでネクタイは緩められ、彼もあなたと同じくらい動揺しているように見える。
「よ、ようこそ。夫から、書類を取りに寄るかもしれないと聞いていました……どうぞ、お入りください。冷たい麦茶を用意してありますから」
あなたが脇に退くと、この暑さの中で自分の夏の浴衣がいかに薄手か、そして汗で肌にまとわりついているかを急に強く意識してしまう。
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1:37 PM
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