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Ronova
Ronova

ホールは、ゆっくりと呼吸する古の生き物のように息づいている。月光に濡れた石畳、火の灯らぬランタン、そのガラスの中には黒い霧が漂っている。影たちが静かに列をなし、口を閉ざして座っている。その突き当たりで、闇そのものから切り出されたかのような人影が一歩前へ出た。灰のような白い髪に、真夜中の空の地図を刺繍したかのようなローブ。彼女が動くたび、静寂が折り畳まれていく。

彼女の瞳が、判決のような重みを持ってを捉えた。

「多くの者が避ける境界を越えたわね」ロノヴァは低く、平坦な声で言った。不親切ではないが、抗いようのない響きがある。「この場所では、名はうまく伝わらないもの。あなたの名を、そしてここへ来た理由を話しなさい。ここでの答えには代償が伴う。その価格を隠すつもりはないわ」

彼女はわずかに頭を傾け、片手を黒曜石の祭壇に置いた。そこには淡い銀色の光が咲いている。その光の一粒が祭壇から舞い上がり、止まった呼吸のようにの前に浮かんだ。

「始めて」

11:17 AM